独身のアラサー、アラフォー女子は、生涯未婚を覚悟してマンションを購入すべきか?

「このままおひとり様だったら、賃貸に払うお金がもったいないから
マンションを買った方がいいのかな・・・」

そんなことを考える女性が増えているようです。

 

生涯未婚率とは

おひとり様を表すデータとして、従来「生涯未婚率」という用語が用いられてきました。

「生涯未婚率」という言葉の響きから、「一生誰とも結婚しない人」のことだと誤解されてきましたが、
実際には「50歳時点」での未婚の人を表していたため、現在では、
誤解を避けるためにも「五十歳時未婚率」に用語に統一されています。

ただ、ライフスタイルや結婚観の多様化で、近年男女とも結婚しない人は確実に増えており、仮に50歳で未婚だと、そのまま生涯独身になる可能性はかなり高そうです。

では、生涯未婚率は現在どれくらいなのでしょうか?

 

どれくらいの人が未婚で終わるのか?

「内閣府」が出している「生涯未婚率」のデータでは

1985年(昭和60年)までは男女とも5%未満でしたが、
2015年には男性はほぼ4人に1人の23・37%、女性もほぼ7人に1人の14・06%に達しており、

2020年以降も高いレベルで維持され、
2040年ごろには、男性のほぼ3人に1人、女性でも6人に1人が未婚になると予想されています。

ですから、

「このままおひとり様なら、マンションでも買った方がよいのではないか」という意見が出るのも、ある意味当然かもしれません。

今回「賃貸派」と「持ち家派」のどちらが良いのかを考える前に、まずは両者の主張を
聞いてみたいと思います。

 

「賃貸派」と「持ち家派」それぞれの理由とは

借りる派の意見

・結婚をあきらめた人みたいに思われるのがしゃくにさわる
・マンションを購入すると、気軽に引っ越しは出来なくなる
・ずっと元気に働ければいいけれど、ローンを抱えて返せるか不安
・もし結婚したら、そのマンションどうすればいいんだろうと悩む
・仮に将来売ろうとした時に値下がりしていたら、結局損するのではと不安

 

買う派の意見

・賃貸に払っているお金がもったいない
・自分の持ち物だと思えば愛着もわく
・仮に結婚したら、所有しているマンションは売るか賃貸に出せばよい
・ずっと住むなら売却することもないから、損失も出ない
・高齢になると、家は借りられなくなるから住む場所は確保しておくべき

こんなことがあげられると思います。

それぞれの言い分はいずれも「なるほど、そうだよね・・・」と思えるものですが、
優劣を判断する決め手には欠けるので、金銭面からみてどちらがお得なのかを
考えてみたいと思います。

 

買うのが得?それとも借りるのが得?

男性が家族で住む自宅を購入するときも、「賃貸 vs 持ち家」という議論がありますが、
「住まい」に対する支出という観点からいうと、

・会社からの家賃補助の有無
・賃料がいくらの物件を借りるのか
・いくらのマンションを買うのか
・中古なのか新築なのか
・買う場合に、自己資金がどれくらい用意できるのか
・将来相続できる家があるのかどうか

などの条件によって、それぞれ想定されるコストは大きく異なってくるため、一般的にどちらがどれくらい得だとは言いきれず、ケースバイケースというのが正直なところです。

ですから、自分の場合は、賃貸と持ち家のどちらが得なのかを知りになりたい場合には、
ぜひ一度、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談されることをお勧めします。

ただ、賃貸を選ぶ場合には、あなたが支払うお金は、毎月の「賃料」だけになので
収入が減れば予算にあわせて引っ越すことも可能ですが、特にローンを組んで
マンションを購入される場合には、色々と注意が必要です。

 

マンションを購入する場合の注意点

マンションは購入したらそれで終わりではありません。
ローンを組んで購入される場合は、毎月の返済が必要ですし、仮に現金一括で購入されたとしても、毎月決まった額の「維持管理費用」がかかってきます。

すなわち、支払うべき費用としては

① ローンの返済費用
② 管理費
③ 修繕積立費
④ 固定資産税(年に1度)
⑤ 地震保険(任意ですが、年に1度)

などが、購入後も継続的に必要となります。

では、具体的にはどのような物件を買うべきでしょうか?
上記の必要経費とともに詳しく見ていきたいと思います。

 

具体的に、どのような物件を購入すべきなのか

1)新築物件は避ける

新築マンションの方が、資産価値が高いと思われがちですが、新築マンションの価格には、売り主の利益、モデルルーム費用、販売時の人件費や広告費等の価格が上乗せされて
いるため(新築プレミアム)、実は新築マンションは割高な物件なのです。

では、新築ではなく中古物件を選べばいいのでしょうか?
こちらは、マンションの築年別の平均成約価格をグラフですが、これを見るとマンション価格が築年数を経るごとに、どれくらい下落するかがお分かり頂けると思います。

もちろん、郊外と都心のマンションで、下落率に差はあると思いますが、
いずれにしても、新築プレミアムははがれ落ち、築15年あたりまでマンション価格はどんどん下落を続け、築16年をすぎたあたりから、ようやく下げ止まりをみせ、ほぼ横ばいの状態になっていきます。

売却時にローンを完済できればいいのですが、物件価格がかなり下がってしまうと、マンションを売却してもローンが残ってしまう可能性がありますので、マンションを築年数で選ぶとしたら、ある程度価格の下落が落ち着いた築16~20年あたりの物が、値ごろ感があっておススメです。

もちろん、非常に人気の物件なら、物件価格が受賞する可能性はなくはないですが、それを期待して購入するのはリスクがありお勧めできません。

2)ローンを限界まで借りない

おそらく物件を見に行ったら、マンション販売会社の営業マンから、

「これくらいまで借りられますよ」と高めの金額を提示されたり
「お客さまなら十分審査に通りますよ」と猛プッシュをしてくるはずです。

けれども、

「銀行が貸してくれるという金額」と「あなたが借りてもよい金額」は異なります。

融資限度ギリギリまで借りてしまうと、毎月の返済が苦しくなり、今までより生活レベルが
下がってしまうということにもなりかねませんので、できれば返済は、年収の20%以下に押させるようにしたいところです。

 

3)維持費を把握して出費に備える

また、「今の賃料と返済額が同じだから買っても大丈夫」と考える人がとても多いのですが、
マンションは賃貸物件と違って、住み続ける限り維持費がかかりますので、返済額+αの経費がかかる点に注意が必要です。

a)毎月の出費

毎月の出費としては、主に管理費と修繕積立金ですが、特に修繕積立金に関しては、
以下のことに気を付けて下さい。

1つは、修繕積立金は、新築販売時には低めに抑えておいて、年数が経つにつれて徐々に値上がりするよう設定されていることが多いということです。もう1つは、大規模修繕が約10年に1度行われますが、その際に積立金が不足しているマンションでは、ある程度まとまった金額を所有者に支払うよう求められるケースもありえるということです。

ですから、購入時にすでにギリギリの状態だと、将来的に支払えなくなることも考えられますので、ある程度の余裕を持った資金繰りが必要です。

b)年払いの出費

固定資産税・都市計画税の支払いが必要になります。具体的な金額については、販売会社や仲介会社に問い合わせれば分かりますので、それらの金額を含めて、年単位の出費額を把握するようにして下さい。

また、任意加入ではありますが近頃の災害頻度を考慮して、「地震保険」に加入するケースもあると思いますが、この金額は確定申告時に経費として認められますので、必ず領収証は保管するようにして下さい。

 

4)売却・賃貸で運用しやすい物件

おひとり様のつもりでマンションを購入したけれど、もし結婚した場合のことを考えると、「売ってよし」「貸してよし」となる物件を選びたいところです。

賃貸に回せれば、結婚後も「あなた個人」の収入として一定の金額が入ってきますし、売却できたなら、2人の新しい家を買う購入資金として使うこともできるからです。

そのためには、賃貸需要が見込める地域の「駅近」の物件などが、入退去があっても次の借り手を見つけやすく、空室のリスクも低くなるのでおすすめです。

 

5)長く住むことを想定した物件

若いうちは、デザインで選んだり、駅から離れている物件でもよいと考えがちですが、
都心回帰が叫ばれるように。年齢を重ねるうちに「便利に勝るものはない」と考える人が多いのも事実です。

ですから、駅からの距離はもちろん、駅から自宅までの道が平坦かどうか、周辺にスーパーや病院などが徒歩圏内にあるかどうかという点も、長い目で見ると実はとても重要な要素となってくるのです。

 

まとめ

実際ローンを組んで購入するとなると、金銭面で不安な要素はあるとは思いますが、釘1本打つこともできなかった賃貸物件とは違って、あなたの好きなようにリフォームすることも出来るようになります。

また、何より「自分の城を手に入れる」という気持ちは、働く気力の源になりますし、
高齢になった時の住まいの不安がなくなるというメリットは非常に大きいと思います。

そうは言っても、高い買い物です。

賃貸か持ち家か判断に迷ったら、決して1人で抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、
ファイナンシャルプランナーや不動産の専門家などのプロの手をぜひ借りて頂きたいと思います。

最終的に、おひとり様はマンションを

「購入すべきなのか」
「購入すべきだったのか」

に対するあなたの答えは、おそらく遠い将来にしか出ないはずです。だったら、今の段階であなたにとってベストな選択をする。それしかないのではないでしょうか・・・。

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